箱根 上二子山(1099m)、下二子山(1065m) 2014年2月1日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:03 駐車場−−7:13 管理道入口−−7:41 上二子山−−7:49 三角点−−7:56 道路を離れる−−8:00 1040m鞍部−−8:10 940m鞍部−−8:43 下二子山−−9:09 940m鞍部−−9:24 鹿の角を拾う−−9:37 管理道−−9:56 管理道入口−−10:05 駐車場

場所神奈川県足柄下郡箱根町
年月日2014年2月1日
天候
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場精進池南側の駐車場を利用
登山道の有無上二子山までは車道あり、それ以外は無し
籔の有無ツツジ籔が酷い場所あり
危険個所の有無無し
山頂の展望無し
GPSトラックログ
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コメント古いエアリアマップでは登山禁止と書いてあるが国道〜管理道入口〜山頂まで現場ではそのような立入規制標識は一切なかった。下山後、ネットで調べたところ山頂部のハコネコメツツジの盗掘対策で神奈川県が昭和30年3月に「特別保護地区」に指定したようだ。籔は思ったよりも少なく上/下二子山山頂直下の灌木藪以外はほぼ無し。上二子山南斜面の崖マークも見当たらず歩きやすい自然林の斜面だった。上二子山は電波塔に占拠されてる。三角点は低灌木藪の中で探しにくい。下二子山は常緑樹の低木に覆われる




保存整備記念館付近の駐車場 駐車場と道路反対側の遊歩道入口
案内図。二子山に立入禁止の表記は無い 良好な道が続く
地形図の道はたぶんここ(廃道化)。特別保護地域の看板だが
生物捕獲、植物採集の禁止で立入禁止は書かれていない
国道に戻って電波塔管理道を目指す
休憩所 ここにも案内図
曽我兄弟の墓 管理道入口。施錠されたゲート
ここも自然保護のため立入禁止の表示は無い 道端には凍結防止剤
上二子山山頂部の電波塔群 これが上二子山山頂の電波塔
上二子山山頂 NTTの中継所
奥の鉄塔付近が三角点 灌木藪を進む
鉄塔直下。ここまで道無し 三角点発見
管理道1070mカーブから東に向かう 写真では分かりにくいが管理道脇は強烈な灌木藪
灌木藪を抜けると歩きやすい斜面 1040m鞍部かた南に進路変更
地形図では急斜面+崖だが歩きやすい斜面が続く 明瞭な鹿道も
下部は薄い笹籔 950m鞍部。赤テープが3か所あり
1030m峰間の谷を目指す 鹿のヌタ場
谷底は苔むした溶岩 1030m峰間の鞍部。ここで笹が登場
笹を避けて左(東)に登る 1000m肩から南を見る
下二子山3ピーク間鞍部から1065m峰を見上げる。灌木籔 鞍部を西に回り込む
灌木籔に突入。かなり手強い 露岩帯のみ歩きやすいオアシス
また灌木藪に。非常に手強くほとんど進まず 鞍部を振り返る
やっと激籔突破 この程度の笹など籔のうちに入らない
下二子山山頂。目印皆無 下二子山から見た東の1030m峰
下二子山から見た上二子山(山頂は見えない) 灌木激藪を抜けて鞍部へ
1030m峰間の鞍部の笹は薄かった 歩きやすい樹林帯を戻る
950m鞍部再び 上二子山への登り返し
1040m鞍部 1040m鞍部で鹿の角発見!!
車道付近はやっぱり激籔 籔の薄い所を登ったら車道を離れて電波塔へ
車道から見た下二子山 上二子山を振り返る
駒ヶ岳がすっきり 二十五菩薩(西側)
石仏・石塔群案内図 保存整備記念館到着


 箱根にはいくつもの火山性ピークがあるが二子山は中央火口丘の1つである。その名の通り2つのピークがくっついた山であり、上二子山と下二子山と名前が付いている。上二子山の方は山頂に電波塔群が立ち並びその管理道が付いているので簡単に登れそうだが、下二子山は道が無い。上二子山から往復する場合、上二子山から鞍部への南斜面の下りが急で崖マークが入り混じるいやらしい場所だ。ついでに南斜面で日当たりが良くかなりの笹藪が予想された。ネットで検索すると登山記録は皆無で、保護地域で立入禁止になっているとの記事のみ発見できた。私が持っている古いエアリアマップでも登山禁止と書かれている。なお、後日の検索で上二子山への登山記事は2件発見できた。そのうち1件はなぜか独立行政機関のサイトだった。

 地形図では上二子山への道は2本書かれており、東側は車道で西側は歩道? とりあえず車道は面白くないので歩道らしき道から上がってみよう。その入口に行って登山禁止と書かれていたら管理道に行って警告があるか確認し、それでもNGなら上/下二子山鞍部へ谷筋から登るルートに変えてみる。そこにも大室山みたいにロープが張ってあって登山禁止と書かれていたら登頂は諦めよう。

 国道1号線を上がって峠状の場所が管理道入口。少し荒れた短い舗装を上がると施錠されたゲートあり。ここには立入禁止の標識は無く登山目的で入っても問題ないように見える。最初の計画で使う予定の西側の道に向かい、入口近くの駐車場に車を置いてお玉ヶ池への遊歩道に入る。その途中で分岐するはずだがどこまで行っても上に向かう道が無い。もう行き過ぎだろうと逆戻りしながら廃道の痕跡が無いか確認したが、動植物の採取禁止の看板が立っている場所が僅かに道のような痕跡に見えた。今は笹藪に覆われている。ここにも立入禁止の標識は無い。少なくともこの2個所を見た感じでは登山禁止になっているとは認識不可能だった。

 藪を避けて東側の管理道を登ることにして、車はそのまま駐車場に置いて道路を歩く。途中、六道地蔵、二十五菩薩、曽我兄弟・虎御前の墓など史跡あり。精進池は凍結していた。

 電波塔管理道ゲート横は人が入れる幅があり踏跡も見られ徒歩で入る人の気配を感じる。道は舗装されたなかなかきつい傾斜で1車線の幅しかないのですれ違いは困難だ。上りと下りの車が途中で出合わないように手動信号が設置されていた。また路面凍結に備えて塩化カルシウムの袋あり。今は霜は凍結ではなく路面に霜が降りているが、もし凍結したらチェーン無しではまず登れないだろう。凍結防止剤よりも砂の方がいいかもしれない。

 傾斜が緩んで1040m鞍部を通過、まだ山頂ではなく山頂を左に見ながら巻き、大きく左カーブして山頂へ直進する道と右に分岐する道に分かれるが当然直進。周囲は携帯電話会社やNTT、国土交通省などの電波中継施設らだけ。とても自然保護地帯とは思えない状況だ。ただ、ネットで調べたところでは、保護の目的は「ハコネコメツツジ」という固有植物(我々が思い描くツツジの木ではなく地面に張り付く高山植物のような草)で、その昔、盗掘で相当数が減ったそうで、その対策で保護区域に指定、地権者の合意を得て立入を制限したようだ。つまり登山そのものを禁止するのが目的ではなく盗掘防止が目的。その意味では電波塔建設やその管理で車が入るのは問題ないのかもしれない。

 道の突き当たりも電波塔でそこが上二子山山頂だ。最高点は敷地の中かもしれないが平坦でどこも同じような高さなので門の前でもいいだろう。電波塔に邪魔されて展望は良くない。

 これで山頂を踏んだわけだが三角点は別の場所にあるので探索することに。地形図を見ると東に離れた場所に立つNTTの電波塔北側に小ピークにあるようだ。車道分岐まで戻りNTT前へ。ここから三角点峰に道があるかと思ったら道無しで背の低い灌木に覆われている。立ったままだと頭が枝に当たって邪魔なので腰を屈めて少しでも高い場所目指して北に進む。毛糸の帽子が枝に引っかかって脱がされるのが頻繁で鬱陶しい。藪の中に小さな電波塔があり、その少し北東側の僅かな高まりに三角点があった。周囲は低い樹林で見通しが利かないが、三角点がある場所は一番高そうな場所だった。付近に目印等は無く探し出すのは困難だろう。

 これで上二子山はクリア、この先が問題の下二子山だ。最初の難関は940m鞍部への下りで、地形図では崖マークが散在。笹の存在も懸念されどうなることやら。とにかく突っ込んでみるしかない。

 NTT中継所分岐を過ぎて道が大きく右に曲がるところで道を外れて斜面を下る。道端はツツジのような背の低い灌木藪で刺のある木も混じり、かなりの密度で下り坂でも進むのが困難なレベルだ。上越国境で出合った灌木藪並みの強固さで、できるだけ薄い場所を探して進むのだがこの付近は背の高い木が無く日当たりが良い影響かどこも同じような密度だ。こうなると強引に突っ切るしかないが、中には刺が生えた木も混じっていて、ズボン、シャツともさらにボロボロになった。  強固な藪は距離にして2,30m程度で、その後は樹木の高さが高くなり足元は地面が見えて楽に歩けるようになりスピードアップ。やがて1040m鞍部に到着、ここは背の高い自然林で足元は藪が無く快適。

 さて、このまま谷を直進すると東に下ってしまうので右に進路変更し薄い笹の肩を突っ切ってまっすぐ下ではなくやや右寄りに斜めに下っていく。下り始めると笹は消えてある程度背の高い自然林が続くようになり、藪漕ぎを覚悟していたのに拍子抜けだ。おまけに崖は登場せず安全だ。樹林を通して眼下に下二子山に姿が見えるので、鞍部に着地できるよう微妙に方向を修正。鹿道が登場してからはそれに従うが、東に寄り過ぎそうなので途中で別の鹿道に乗り換える。鞍部が近付くと笹が登場するが孫助山の濃さとは雲泥の差で簡単にかき分けられる。

 やがて940m鞍部に到着。鞍部は谷状で東西に長いが、予定通り中央より西側の一番高いところに到着したようだ。ここも背の高い自然林で、今まで見かけなかったが赤テープが接近して3個所に巻かれていた。色あせてテープの上に苔が張り付いていてかなり古そうだ。西側から谷を上がってきたのだろうか。

 この先はやや地形が複雑。東西に偽ピークがあるので尾根を通るのではなく谷間を南下していく。ここも背の高い樹林で笹は皆無で歩きやすい。何となく筋があるような無いようなで獣道かもしれない。谷の真ん中の凹んだ個所には苔蒸した溶岩がゴロゴロしているので、それを避けつつ進んでいく。

 やがて谷に笹が登場、ここで笹を避けて左の斜面を迂回することにしたが、そのまま登ると偽ピークに上がることをすっかり忘れてしまった。ピーク(正確には尾根の肩)に出ると樹林の隙間を通して南側にもっと高いピークが登場、あれが下二子山で偽ピークに登ってしまったことに気づく。下り斜面も藪は無く樹林の隙間を進んでいくと平坦な谷間に到着、ここは樹林が開けて下二子山への登りの尾根が見えるが、どうも下部は管理道からの下り始めで体験した背の低い灌木藪と同等に見える。あの藪はも御免なので右に回り込んでみることに。ここは少し登ると大きな露岩が見えるので少しの間は藪を回避できそうだ。その露岩から時折湯気が立ち上るのが見え、もしかしたら噴気孔があるのかも見てみたかったこともある。

 開けた平地を回り込んで尾根の西側に取りついたがここもツツジ藪のような強固な低灌木藪。地面を這うように隙間に潜り込むが斜面の傾斜が出てくるとそれもできなくなって強引突破。中には足が地面に付かない場所も。やっと露岩帯に到着したが湯気が出ている個所はなく、あれは幻だったのか、それとも大型動物の息だったのだろうか? 露岩上部の灌木藪がこれまた凄まじく、10m程度の突破にかなり苦労した。

 やっとのことで灌木藪を出ると木の高さが少し高くなって通常の自然林へと変貌、一気に歩きやすくなってスピードアップ。山頂が接近すると笹が登場するが大したことはなく簡単にかき分けられる。ほとんど水平移動になると山頂は近く、水平部の一番奥が山頂であるとGPSは示した。真の山頂にもその手前の平坦部にも目印等は無く訪問者は相当少ないと思われる。上/下二子山間の鞍部にしか赤テープは見られなかった。

 帰りは下二子山山頂から北に延びる尾根を辿ってみる。尾根末端付近で灌木藪に突入するが往路よりずっと短距離で抜けられた。あとはほぼ往路を戻る。1040m鞍部では足元に鹿の角が落ちているのを発見。鹿の角を拾ったのは何年ぶりか。前回は大唐松山か、それとも身延の大野山かどちらかだろう。まさか箱根で拾うとは思いもしなかった。

 電波塔管理道に出る手前の灌木藪は相変わらず強烈で、薄いところを探して右手に逃げたら登りやすかったが電波塔直下に到着、そこから道路までがこれまた刺混じりの灌木藪でまいった。道路に出てしまえば激藪から解放されて下るだけ。ゲート横を通って国道に出た。

 結局、山の中ではどこにも立入禁止の看板や柵はなかった(電波塔の敷地を除く)。少なくとも事前にネット等で調べない限り、現場が立入禁止とは分からない状況だった。

 

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